プレイバック!26th皆生大会 ・・・審判長編
プレイバック!26th皆生大会 ・・・審判長編

プレイバック!26th皆生大会 ・・・審判長編

第26回全日本トライアスロン皆生大会審判長を務めて
審判部長 種田清

私は、第25回及び第26回大会で審判長という大役を務めさせていただきました。
2大会を通して私が感じた事を書きたいと思います。開会式では、今年1月のJRの事故で亡くなられた田子賢治さん及び26回大会出場予定であった京都出身で練習中に事故に遭い亡くなわれた方の黙とうから始まり今大会が開催されました。

7月16日、米子市の皆生温泉を発着点に、769人の鉄人が、190.195キロのロングレースに挑み熱いドラマを繰り広げました。スイム3キロ、バイク145キロ、ラン42.195キロのコースです。沿道の各ポイントで待ち受ける約3000人のボランティアの声援が、選手達の孤独な挑戦を支える大会だったのではないでしょうか。特にバイクのコース上では、あの激しい雨の中選手一人一人に対して飲み物や食べ物を渡し笑顔で声援を掛けていたのですから、今大会は、より一層選手とボランティアが密接になれたのではないでしょうか?
米子市長の号砲で過酷なレースが始まりました。スタート時のコンディションは気温27度 湿度84% 水温25度 風速7メートル 波高0メートルでした。スイムでは2名のリタイアの出たものの、ペナルティーとなる違反者はいませんでした。
          

皆生大会のバイクやランコースは定着しない大会でもあります。これは、警察や地元住民からの要望等があり余儀なく変更している状況でもあります。そういった中スタッフやボランティア等が協力しあい選手が安全にレースに参加していただけるよう努力しているのであります。
 また昨年とは違ってバイクコースでは、大山の上り坂ポイント119広域農道Y字路では、下り坂を下ってきた選手と上り坂を登る選手とが交差する地点でもありここのポイントでは、交通指導員、ボランティア及びマーシャル等を配置し選手の安全に力を入れてきました。

バイクレースでは、今年の4月に改正されたルールの中でドラフティング及びブロッキングがありますが今大会では1件も審判部本部にあがってきませんでした。あの激しい雨の中選手自身も安全に注意し車間距離を十分にとって走行されていたのではないのでしょうか。
 
 ペナルティーの対象となる違反があがってきたのは、ペットボトル、ゴミ等の不法投棄です。出場された選手の方もご存知の通り復路のバイクコースではどれだけのゴミを見てきたものか、あのゴミは誰が拾うのか?後日地元の住民またスタッフやボランティアが歩いて拾うのですよ!!地元から苦情や来年コースとして使って欲しくないということが大会運営にあがってくれば来年の開催ができなくなるのです。日本で最初の開催地でもある皆生大会がゴミ等の不法投棄により26回大会で幕を終えてしまうのです。選手のマナーが大切なのではないのでしょうか。
 
 もう一つバイクコースでは、タイム制限が30分早くなったことです。これは、たくさんの人がランのコースに進めなくなりました。あと数分あればランに行けるのにそういった気持ちになりました。
 ランコースでは、一般道路や歩道を使用する事から交通違反、特に信号無視が散見されましたマーシャル、交通指導員が制止(赤になります、止まってください)してもそのまま渡ってしまったりしたことです。ボランティアが選手の為だと気を配って赤信号でも渡らせたり、また反省すべき事は、交通指導員、ボランティア、マーシャルとのコミュニケーションができていなかった点が幾つかのペナルティー対象の選手を出してしまったことです。

26回大会のフィニッシュ者数は、なんと25回大会と同じ714名です。ゴールアナウンスも中岡みずえさんが714名のプロフィールを紹介されより一層感動的なフィニッシュを見届けることができました。
 ある鳥取県選手から提案された、田子賢治さんが好きな緑色を喪章としてレースに参加した選手達も数多く見られました。私も鳥取県理事の野嶋氏と一緒に大会前日に田子さん宅を尋ね、26回大会を無事に終わらせる事を誓いました。また田子さんのレース用ウエアー、バイク、バイクヘルメットに貼って頂くため、26回大会のレースナンバー1000番を届けに行きました。
 最後になりますが、昨年に続き今年も審判長をさせていただき自分自身勉強にもなり、またたくさんの支援や意見等承り無事に努めることができました。本当に有難うございました。

 PS  来年は、選手で参加したいです。