「鉄人レース」「過酷なスポーツ」として取り上げられきたこの競技で最近レース中に死亡に至る大きな事故が毎年のように発生しています。
今年の佐渡大会でも男性トライアスリートがスイムパートでなくなっています。また2002年宮古島大会でもスイムパートで選手が死亡しています。
皆生大会においては、第3回大会において大会の産みの親でもある熊本県の医師が水泳競技中に溺水し5年後、一度も意識が戻ることなく亡くなられました。
大会の安全管理はトライアスロン競技のように大会ごとにレース環境が大きく異なり一律に規定することは、難しい面もありますが事故発生時の対応について実践的なマニュアルができているかについては、正直言って疑問を抱かざろうえないのが現状です。
現在、皆生大会を含めた日本国内で開催されているロング大会(オロロン大会、佐渡大会、皆生大会、アイアンマンジャパン、宮古島大会)の間で連絡協議会が皆生大会の20周年時に立ち上げられたが、選手や役員の交流はなされているが安全マニュアルの共有やまた実際に起きた事故の状況などの情報は共有されていません。
また、日本トライアスロン連合に医事委員会という専門委員会が設けられていますが、その活動のほとんどは、アンチドーピングに関するもので事故防止や救急救命などについては積極的ではありません。
トライアスロン競技だけでなく国内のスポーツを取り巻く環境は、以前に比べ非常に厳しいものとなっています。合理化などによって人員が減ったことによる負担増や経営環境の悪化によるオーバーワークなどなどにより競技者の体調管理は難しくなっています。
競技時間が長時間にわたるトライアスロン競技では、競技者にかかる肉体的負担は他のスポーツと比較にならないほど過酷なものとなります。
こうした状況の中で競技者の安全を守っていくことは、大会主催者の最優先課題です。
トライアスロン競技の選手自身による自己責任という概念は基本です。しかしそれと同様に参加選手の不慮の事態に迅速に対応できるシステムを構築することは主催者の義務でもあります。
個々の大会が持つノウハウだけで事故に対応するよりも大会ごとに集積したノウハウを積み上げることでより高いリスクマネージメントができると思います。
広範囲にわたるコースのなかで起きうる様々なケースにパーフェクトに対応することは至難の業かもしれませんが、皆生大会はこれからも参加者の安全を第一に大会を運営していこうと考えています。
選手の安全管理についても皆さんからのご意見をお聞かせ頂ければと思います。