水泳・自転車そしてマラソンと3種目に挑戦するトライアスロン競技は、その誕生時から「鉄人レース」「自己への挑戦」など普通の人には非常にハードで敷居の高いスポーツであると捉えられていました。
実際3種目をこなすわけですからレースに出場するためには、それぞれの種目のトレーニングを積んでいかなければなりません。
仕事と家庭などアスリートそれぞれが必要とされる環境はさまざまですが、こうした複数のファクターに対して責任ある役割を担っていくためには、バランスよく対応する自己管理能力が必要とされます。
トライアスロン競技が日本で生まれた黎明期から全国に多くの大会が立ち上げられた発展期にかけては、20代後半から30歳代前半のアスリートの占める割合が多かった。しかしここ10年の傾向として若年齢層よりも40歳以上の中高年齢層の割合が顕著に増加してきました。また、トライアスロン競技を始める年代も年々高くなっているのも最近の傾向です。
トライアスロン競技のハードなイメージが先行したため中高年には取り組むには、難しいスポーツと思われているのと裏腹に実は、このスポーツは中高年層にその愛好者を増やしているのです。
実際今年の27回皆生大会の全参加者の平均年齢を調査したところなんと42歳というデータが出ました。
正確なデータではないものの10年前くらい前と比べて7歳位平均年齢が上がっているのです。
競技を経験した人であればわかるとおり、自分のペースで行うことのできる競技ですから体への負担は、ボディーコンタクトの厳しいサッカーやラグビー、バスケットなどより遙かに軽く、また3種目すべてが有酸素運動であるためスポーツ障害の危険性も少ないのです。
またこうした競技の特性だけにとどまらず、トライアスロンのスピリチュアルな特性もこの高年齢化に影響していると思われます。体力に自信が持てなくなってきたとき、もう一度青春時代のあの燃えるようなエネルギーを取り戻したいという想い、もう一度自分の可能性にかけてみたいという純粋なチャレンジ精神が動機となって走り始めるたという人も多いはず。
いずれにせよこの競技者年齢の上昇は、今後も引き続きみられると予想されます。
近い将来、高齢者に人気のスポーツを3つ挙げルとしたら「グランドゴルフ、ゲートボール、トライアスロン」と言われる時代がやってくるかもしれません。
これはジョークとしてただはっきり言えることは、トライアスロンは年齢に関係なく誰でも無理なく楽しむことのできるスポーツであることは、実証されていると思います。
こうした状況の中、鳥取県トライアスロン協会では年齢や身体の状態に関係なく誰でも楽しめるスポーツであるトライアスロンの普及のため「Try for All」事業を推進しています。このポスターは鳥取県協会員とそのお孫さんがモデルになってもらいこの事業を広報するために制作されました。ちなみに写真撮影からデザイン、印刷にいたるまですべて無償で制作協力してもらいました。
トライアスロンをこの地域がどれだけ大切にしているかご理解頂けると思います。
また先日開催された日本初の障害者だけによる「Challenged アクスロンin皆生大会」では、健常者・障害者関係なく誰でも楽しめるスポーツであることを実証することができました。(Vol.36参照)
今後ともだれにでも楽しむことのできるトライアスロン競技の楽しさを広めていきたいと思っています。