みんなに「狂気の沙汰」「まともじゃないな」とのそしりを受けながら苦節17年、ついにまた今年も恒例の寒中水泳を敢行しました。
暖冬傾向だと言われていた今年の冬は、見事に予報が外れ年末以降、山陰地区は晴れ間をみることができませんでした。
さらには大山のゲレンデには150cmを超える積雪。中国山地も年末来ずっと雪を頂いて景色として見るには、壮観な眺めなのですが沢から解けて川に入った雪解け水で河口付近の水温は相当下がっていることが予想され例年にもまして厳しいコンディションになることが予想されました。
しかし当日の気温は5℃と下がったものの予想に反し水温はなんと12℃。例年より逆に暖かったのでした。
小学生を中心に下は5歳のちびアスリートから76歳の達人まで200名を超す人々が今年も皆生海岸に集結しミスタートライアスロン・小原工選手のリードで軽いジョギングの後、1年の安全と活躍を祈念してご祈祷を受けた後、一斉に海に飛び込んでいきました。
子供は風の子、元気な子といいますが、体脂肪の少ない子供達にとって冬の海の冷たさは体温を奪うため長時間の入水は、相当厳しいものとなります。
それに反し私たちメタボ世代は、体温保護のための脂肪で守られていますから入水後すぐに海からあがっていく子供達を尻目に「おまえら弱っちーなぁ!おっつぁんなんかなんともねぇぞー」といってバディーサーフィンやボードに乗って最後まで遊んで優越感に浸っていたものでした。
しかし今年はどうも様子が違ったようです。
水温が高いという心の緩みなのでしょうか10分も経たないうちに寒さに我慢できず一番先に海から逃げ出して砂浜に掘った露天風呂に飛び込んでしまいました。
毎年小馬鹿にしてからかっていた子供達はといえば大はしゃぎで海のなかで遊んでいます。
毎年寒中水泳は寒いと思って気合いをいれて入った子供と今年は例年より暖かいと油断したものとの違いが立場を逆転させてしまったのです。
人生そのものを垣間見た光景でした。
そそくさと風呂から上がり着替えをすませた私でしたが、最後の子供が海からあがったのは
入水後なんと30分も経ってからでした。
狂気の沙汰と揶揄されながら頑張ってきた我々ですが、見事に立派な後継者達を育てた
という満ち足りた気持ちで一杯でした。
でもやっぱり子供達にエネルギーには、脱帽ですね。