大会直前になって皆さんにちょっと心配なことをご報告いたします。
先月中旬くらいに皆生海岸を試泳していた選手の何人かが、海上でチクチクと何かに刺されそのうち数人が強い痒みと患部が腫れる被害を受けました。
写真は、そのうち1人の被害の様子です。
日野川河口からスタートして沖合70m位をテトラポットに平行して泳いでいたときに刺されたようです。
当初、クラゲ被害かとも思いましたが、患部の状態からクラゲではないことは明確です。
病院では対象を特定できなかったのですが、様々な情報を調査した結果おそらくエビやカニといった甲殻類の幼体である「ゾエア」ではないかと推測されます。
要は、シラス干しによく混ざっているピンク色のあれです。
※ゾエアついての解説は→ http://www.big.or.jp/~ishigaki/danger/Micronekton.html
体長は1~3ミリ程度の大きさで潮流などに乗って海面を移動しています。
サーファーの間では「ちんくいむし」という名前でよく知られています。
刺されるとチクチクっと痛みが走り、個人差がありますがまれに発熱を伴う腫れを起こす人もいるようです
。
また痛みを感じても全く被害のない人もいます。
季節、風向きなどによりどこに流れ着くか分かりませんので予測は不可能です。
被害報告を受けて競技部では、7月4日(日)に沖合200m付近を海岸に沿って泳いでみましたが被害はありませんでした。前日まで雨が降っており上層10cm位は淡水層となっていたのが幸いしたのかもしれません。
また、試泳したコースがテトラから70mくらいと比較的岸に近く風などの影響で海岸近くにたまりやすかったのも影響したのではないかと推測されます。
従って沖合200m位を泳ぐ選手は、ゾエアがたまる可能性は低く被害を受ける可能性も低いと見ています。
ただし、可能性がゼロではありませんので被害を最小限に抑えるために下記の対策を奨励することにしました。
①肌が露出する部分にはしっかりワセリンなどを塗る。
スイムスタート地点で上塗り用のワセリンをある程度準備しておきます。
ただし数量に限度がありますので各自用意されることをお勧めします。
②ラッシュガードの着用許可
ノースリーブのウェットスーツを使用される選手は、腕の露出面積が多くなりますのでウェットスーツの下に長袖ラッシュガードの着用を許可します。
刺された場合の対応は、とにかくかゆくても我慢することだけです。掻くと被害がよりひどくなります。
治療方法は、ステロイド系の軟膏を塗るくらいしかありません。
医療部では、スイムフィニッシュ地点に軟膏を用意するようにしていますので被害を受けた選手は申し出てください。
この報告は、被害を最小限にとどめるのと刺された時のパニックを押さえるために敢えていたしました。
泳いだからといって100%刺される訳ではありませんので過剰反応は禁物です。
大自然の中で1日遊ばせてもらうわけですから、自然体で向かうしかありません。