鉄人皆生通信⑯ 皆生から世界へ
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鉄人皆生通信⑯ 皆生から世界へ

努力無限通信 VOL.16

 鉄人皆生通信読者の皆さんお元気でしょうか!?平成20年(2008年)を迎えて早二ヶ月が過ぎようとしています。本当に月日のたつのは早いものですね。第28回皆生大会まであと5ヵ月。北京オリンピックまであと5ヵ月半となりました。もうあっという間に7、8月がやってくるのでしょう。北京オリンピックは8月8日に開幕しますが、トライアスロン競技は8月18日が女子、19日に男子が行われます。みなさん応援してくださいね!
 
 みなさんの今年の目標は何ですか?いろいろな目標を定めていると思います。今年の私は「ジャパンカップで表彰台に上がること」を目標に日々己に挑戦の毎日です。3月には4年ぶりにフルマラソンに挑戦し今の自分がどこまでやれるか追い込みます。もちろん最大の目標は北京オリンピックにチームテイケイから田山、杉本両選手を出場させ、田山のメダル獲得、杉本の入賞であり、それにプレーイングコーチとして貢献すること。女子選手の久保田が宮古島で優勝を目指し最高のレースをすることもそのひとつ。それぞれの選手がその目標を達成するため、実は今、宮古島で第2次強化合宿中であります。今回のテーマは”勝利の土つくり,自信の種つくり”。成功するために変えなければ(自分を)ならないものに気づくということ。トレーニングはもちろんのこと、不可能を可能にするため選手それぞれがいろいろなことに挑戦しています。今年は1月にもここに来ているので2度目。日本列島は厳しい寒さに包まれているようですね。こちらは晴れれば暖かく(というよりは暑く)最高の環境でトレーニングでき幸せを感じています。毎年ここに来ると思うのですが、この時期に日に焼け、海で泳いでいる自分たちが不思議で「いったい今は何月?」と考えてしまうこともたびたび。兵庫に戻ったら寒いのだろうな~・・・
 
 今月はたくさんの行事や出来事がありました。兵庫県郡市区対抗駅伝出場、テイケイラフティングチームとの合同合宿、長野県中野市の「親輪社トライアスロンクラブ」のみなさんと地元マラソン大会参加。宮古島で三井住友海上陸上部と偶然の出会いなどなど2月はあっという間に終わろうとしています。

●テイケイラフティングチーム合同トレーニング
 みなさんラフティングという競技があるのをご存知ですか?一言で言えば「川下りのレース」で激流の中を下っていくダウンリバー、川に設置された関門をひとつずつ通過していき正確さを競うスラローム、短い距離で速さを競うスプリントの3種目の総合得点で競われるスポーツで2年に一度世界選手権も行われています。私の所属するプロチームテイケイにはラフティング競技部もあるのです。
昨年は世界選手権で堂々の3位入賞を果たした世界の強豪チームなんです。日本ではトライアスロンよりもマイナースポーツに思われるかもしれませんが、これがすごいカッコいい男のスポーツなんですよ!自分もやってみたい。昨年はチームテイケイが世界選手権で初めて表彰台に上がったので、関東では特番が放映され、それをビデオで見るとカッコいいのと感動で鳥肌が立ってしまい、チームで勝ち取ったという物語に涙してしまいました。昨年のワールドカップで田山が優勝したのも、このラフティングチームの存在が大きかったと思います。まさに相乗効果です。
 そのチームの浅野監督とメンバー7人とは会社の研修会などで顔を合わせていただけだったので、今回初めて我々の拠点・兵庫で合同トレーニングを行いました。
最初は一庫(ひとくら)ダムでラフティングボートに乗った(写真参照)のですが、普通のボートと違って、水抜きがあるので常に水が入ってくるんですよ。だから少々濡れてもいい格好で乗らなければいけなかったのですが、私の予測が甘く普通のシューズとジャージにウインドーブレーカーという格好。「まぁ落ちることはないのでそれで大丈夫です」というメンバーの声でひと安心でした。まずはオールで漕ぐときの姿勢を教えてもらい、オールの扱い方、体の使い方など教えてもらうとどこかスイムの水のキャッチに相通ずることがあるのを発見。ただ、教えてもらった姿勢を維持しながら漕ぐのはきつく感じましたね。この経験はなかなかいつもできることではないので家族にも体験させましたが、子供たちは最高に喜んでいました。
みんなである程度漕ぐ練習をした後、ボートが2艇あるので勝負をしました。6人1チームを二つ作り、八尾、小原、子供二人とラフティング選手二人の親父チームと田山、杉本、子供二人とラフティング選手二人の若者チームの戦い。距離は往復700mくらいと以外と長かったので親父チームは厳しいかなと思っていたのですが、どちらが勝ったと思いますか?なんと勝ったのは親父チーム!勝因は持久力というよりも疲れない体の使い方。最初は息が上がりきつくてリードを許したのですが、体が自然と全身を使った疲れない漕ぎ方を探して、途中から楽になり気合を入れてペースをあげることができました。若者チームはなぜか途中で失速・・・これはトライアスロンのレースにも通じることなんですよ。いかに自分の持っている体を筋肉に頼らないで効率良く使って動かすか?考えないとだめですね。自分もまだまだですが・・・
 それから二人乗りのカヌーボート(細長い)でのリレーをしました。私は杉本とペアでアンカーを任され、そこまでリードしていました。負けた方は罰ゲームがかかっていたので負けられないし、みな真剣モード。
アンカー対決の相手ペアは八尾、田山両選手。このリードを保とうとすばやくボートに乗り込み、勢いをつけようと誰かがボートを押した瞬間「ジャボーン!」と冬の冷たい水の中に服ごと私は落ちたのでした。
「いやー寒かった!」でも毎年寒中水泳をしているのでそれに比べれば・・・と震えながら強がっていた自分がそこにいました。 傑作だったのは先輩が落ちたのを知っていながらリレーに集中し、私をほって真剣にボートを一人で漕いでいた杉本選手には参りました。
 今回はまったく流れのないダムだったので楽しく体験できましたが、これを激流でやるとなるとちょっと想像がつかない。ラフティングのレース本番では転覆したり落ちたりすることもあり、落ちそうになったら仲間で支え合うのだそうです。チーム全員の「呼吸と心と技と体」が一致しなければボートが思うように進まないラフティングはまさに男のスポーツ!トライアスロンとは違ったスポーツを経験でき最高の一日になりました。

●宮古島はスポーツ天国
 チームテイケイは7年前から毎年ここで合宿を行っています。その理由は、冬でも暖かく交通量が少ないこと、身体に良い食事、海を使っての実戦トレーニングができることなどがありますが、なんといっても地元の方々の協力と暖かさに尽きます。
トライアスロンの島といわれていますが、それだけでなくプロアマ問わずたくさんのスポーツ選手がやってきます。野球、陸上(特にマラソン)、ビーチバレー、競輪、サッカーなどなどトレーニングしているといろいろな選手を見かけます。昨年は愛知製鋼陸上部監督の中山竹通さんがすごい勢いでジョグをしているのを何度も目撃。1月にはシドニーオリンピックのマラソンに出場した山口衛里さんがコーチとして道端に立っていたり、競輪の選手とはよくバイクコースですれ違います。
今回の合宿では朝まだ暗い中ジョグをしていると、なんとあの土佐礼子選手とすれ違ったのですよ。暗いので良く分からなかったのですが、すれ違った瞬間走りの雰囲気で「土佐選手だ」と思いましたね。昨年の世界陸上のあの粘りの走りを何度も見ていましたから。この時はただすれ違っただけ。ただ、なんとなくまた会えるような予感があました。するとその日の夜、偶然にも「郷家(ゴーヤ)」という良く行く料理屋でばったり。そこには土佐選手、渋井選手、先日の大阪で4位の大平選手、実業団駅伝1区を走った岩本選手とコーチの渡辺さんがおられ、初めて話をしました。こちらはテレビで何度も見ているので会ったことがあるような気になってしまいますが、あちらは初めて。でも、土佐選手の旦那さんはトライアスロンをしていたので私のことを知っていたようで嬉しかったですね。「あの粘りと旦那さんのサポートすごいですね」と言ったところ、「全然です!」という答え。テレビで見たままの土佐選手でした。選手たちが先に帰ってからは、うちの監督と私は渡辺コーチといろいろな情報交換もでき共通の知人でつながっていたこともあり有意義な食事(いや飲み会??)となりました。
 ここに来るすべての選手は宮古島の暖かさと人々の暖かさ、そして不思議なエネルギーを感じてまたここに来るのでしょう。

 さあ、皆生大会の申し込みも始まりトライアスロンシーズンももうすぐ開幕です。みなさん寒さに負けず己に負けず日々頑張っていきましょう!!!