来年の大会で皆生大会は、満30年周年を迎えます。
日本だけでなくアジアで最初のトライアスロン競技大会として誕生したこの大会は、トライアスロンの原点として日本トライアスロンシーンを牽引してきました。
ロングタイプの大会が少なくなっていく中、皆生は原点を守りながらその独自性を頑なに保ってきました。
宮古島大会やアイアンマンジャパンなど華やかな人気大会に注目が集まっていくなかでも皆生大会はそのオリジナルスピリッツに拘ってきました。
全国に多くの大会が誕生するに伴い、競技性が高まりプロ選手やトップトライアスリートなどを招くことにより大会を盛り上げることも多くの大会で見られました。
しかし皆生大会は、「完走者はすべて勝利者」の精神で参加者一人ひとりの成果を大切にしてきました。過去、鳥取県内から3名の優勝者を輩出していますが、彼はいずれもゴール後、フィニッシュ地点で最終ランナーを待っていました。これも完走者はすべて優勝者、讃えられるべき人を讃えるという皆生大会の精神を見事に表しています。競技力以上に個々の選手の努力を大切にすることが皆生大会の方向性であるのです。
そしてこの思いを表現したのが、第25回大会での皆生宣言です。
「継続する力 分かち合う心 一体となり大会を創る」この3つの精神が皆生トライアスロン大会を支えるバックボーンとなっています。
原点を守ることは、頑なに変化を求めないことではありません。
大会のフォーマットは、その時代や地域の状況によって変わるべきものは勇気をもって変えていかなければならないと思います。伝統の中にも先進性を忘れてはならないと思います。
人間社会で言えば30年は1世代です。親から子へ世代交代するように来年の皆生は次代に向けて新しい一歩を記す大会になっていく大会でもあります。
皆生宣言の中にもあるとおりこの大会は、参加するすべての人々が協力して作り上げていくものです。
それぞれの立場の思いを積み上げて皆生大会は成り立っているのです。
記念すべき30回記念大会に向けて皆さんからのご要望、提案などをお待ちしています。
現在、来年に向けて様々な具体的な提案が出ています。
例えば、リレーの部創設(3人一組)やバイクコースの大幅変更、選手の民泊受け入れなど様々な提案があがっています。大会に関わる多くの皆さんのご意見の中から、新しい世代
にふさわしい大会企画を取り上げて生きたいと考えています。