テレビタレントがトライアスロン大会に出場するテレビ番組の影響なのか近年第3次トライアスロンブームとも言われるほど競技者の増加が見られます。また各地で新規大会の立ち上げがありその傾向はより一層顕著になってきています。
競技人口の増加は、普及の表れであり底辺の拡大は最終的には全体の競技レベルをあげるという好循環についながります。。
しかしその反面この人気の影で大会に出たくても出ることの出来ない人たちが増えているのも事実です。特に人気大会といわれる大会には多く申込が殺到しています。
この状況はなにも最近のことではなく皆生大会ではピーク時には450名の定員に申込に1800名を越す申込があり5年連続出場できない選手がいたこともありました。
ですから定員が存在するスポーツイベントにとって参加の可否があるのは宿命的なところもあります。
ただ参加の可否がどう決定されているかに少し疑問を感じています。
参加者が定員オーバーすると選手選考を行う必要が出てきます。大会規模が多くなればなるほど大会主催者の選手選考は膨大な作業となってきます。最近の傾向としてインターネットによる申込が主流となってきています。
ペーパーレスで事務処理が簡単であるために主催者側としてもまた選手にとっても便利なシステムです。
インターネット申込の利便性はだれも疑うところではないのですが問題はそれを先着順で合否を決定する大会が増えてきているという点です。
先日受付が始まった来年の石垣島大会は受付から数時間で定員に達し受付が終了しました。また今年の佐渡大会においても受付開始から48時間以内で締め切られました。
確かに早い者勝ちのやり方はフェアでもあります。しかし元々地域振興策一環として立ち上がってきた地方のトライアスロン大会へ愛着をもって連続して参加して来た選手達の選考をデジタル処理された情報の順番だけで決定してしまうことには複雑な思いを感じてしまいます。特に遠く県外から連続して参加する選手は、受け入れ側からすれば常連さん。開催地を気に入って何度も足を運んでくれるリピーターですから本来であれば上得意先として大切に対応すべきではないでしょうか。特に前述のように地方の大会の殆どが観光振興や地域振興事業として大会を立ち上げてきたわけですから人気が出てきたからといって事務効率だけで処理するやり方には疑問を感じます。
特にロングタイプのように長期にわたってその大会を目指してきた選手の努力にふさわしい選考を行うのは大会主催者としての責務ではないでしょうか。
確かに膨大な資料を元に選手選考を行う事務作業の大変さは理解できます。しかし選手と大会との堅い信頼関係を築く重要な部分が大会に委ねられていることを忘れてはならないと思います。
特に選手の競技レベルの審査をなおざりにすることで起きる危険の増大など最終的に大会運営に影響を与える可能性もあります。
トライアスロン競技は、100%安全を確保されて行われるスポーツではありません。どんな状況に対しても自分の判断で対応できる能力を身に付けた人が優先されるスポーツであると思います。
気軽に誰でも参加できるのがスポーツの楽しみだとすれば、この競技はその範疇から少し外れるのかもしれません。
しかし基本的な参加条件を満たすアスリートでなければ大会の安全性を守っていけないのも事実です。
今後、ネット申込形式の大会が今以上に増えてくるとは間違いありません。
繰り返しのようになりますが、その利便性を生かしながら参加希望の人たちの想いと大会の安全性が担保出来るような選手選考を行うことが健全なトライアスロン競技の環境を未来につなげていくことになると思います。
皆さんのご意見をお聞かせください。